筆との出会いが絵を変える

2025.05.28
筆との出会いが絵を変える

今回は筆についてお話をします。

筆は絵の表現を左右する大切な道具

絵を描くのに大切なのは支持体と絵の具。特に水彩絵の具の場合は紙はとても大切です。作家によって紙の好みはそれぞれ違うのですが筆もまた作家によって好みは違うと思います。

筆は大変高級なものからかなり安価なものまであり、高級な筆を購入するとずっと使えると言うふうに思ってしまいますが実は筆は消耗品です。どんなに高級で良い筆を買っても、必ず使いにくくなります。毛先が閉まらなかったり、バラバラになったりして描くのにとても困難になります。

筆は消耗品。だからこそストックが必要

画家は絵を描くのが仕事ですので、割と絵の具と同じ位筆もストックされている画家は多いと思います。私もかなり筆のストックはしています。また画材によって筆の種類も変わってきますので、なかなか自分に合う筆に出会うのが難しいところでもあります。

アクリル絵の具や油絵の具の場合は、太筆は大きな面をざっくりと塗るので、それほど買い替えたりすることもないのですが、0号や0号以下の筆は本当に唐突に変えることが多いです。すぐに毛先がバラバラになったりまとまりが悪くなり、細かい目の表現や例えば猫を描いたときの毛並みやヒゲなどを書くときに思うように描けなくなると新しい筆に変えます。細い筆のストックはかなり用意をしています。

またどんなに高価な細い筆を用意しても、やはり傷むことが早くて、私の場合は、少し安価な筆をたくさん用意して、数枚を描けば、新しい筆を用意すると言う形です。

水彩画では筆選びが表現力を左右する

水彩画の場合は、少し高価な筆を使います。すっとまとまって8号、10号の筆でも細かいところも描けます。ですので、あまり水彩側の場合は、細い筆で描くよりもそういう筆を2本ほど用意して描いています。

メーカーも様々ですが、画材さんによっては自分の会社で筆を作って販売している画材屋さんもあります。又、お店の中で筆をためせるように用意をしてくださっているところもあると思いますので、ぜひそういうところでいろんな筆を触っていただいて、自分に合う筆に出会っていただきたいと思います。

自分に合う筆との出会いが創作を変える

自分の思うように描ける筆に出会うと心の底から幸せを感じます。自分は天才ではないかと思ってしまう位です。

画家 田嶋香里

画家 田嶋香里

現在は京都府宇治市にて制作、講師活動を行う。
京都造形芸術大学卒業、絵画造形教室講師30年以上、保母資格取得、幼児教育講師の経験後、幼少絵画教室を開室現在は幼少からお年寄り、美大受験生、障害のある子供達と幅広く指導、幼稚園講師研修会の講演
制作者としての活動は個展、グループ展多数開催

近年の活動

2018年
寺山修司画集 「時をめぐる幻想」(出版社:東京出版)「猫時計」の挿絵を行う
2019年
大丸梅田にて絵画展示販売
京阪百貨店にて展示発表
よみうりカルチャー講師
NHK文化センター講師
2020年
大丸梅田にて絵画展示販売
近鉄文化サロン講師(あべのハルカス・ならファミリー)
三越星ヶ丘店にて絵画展示販売
名古屋三越栄本店にて絵画展示販売
静岡伊勢丹にて絵画展示販売
北海道丸井今井札幌本店にて絵画展示販売
東京立川伊勢丹にて絵画展示販売
2021年
自身のアトリエ店舗をOPEN
2022年
KADOKAWA「オーバーロードⅣ」公認アーティストとしてメイキング動画、作品制作

近年の画歴

関西二紀 佳作賞,春季二紀展 新人選抜奨励賞,京展入選(3回),京都二紀 奨励賞(2回受賞),関西二紀 奨励賞(2回受賞),関西二紀 褒賞(2回受賞),関西二紀 関西二紀賞,二紀展 奨励賞,現創美術協会 奨励賞