今回は筆についてお話をします。
絵を描くのに大切なのは支持体と絵の具。特に水彩絵の具の場合は紙はとても大切です。作家によって紙の好みはそれぞれ違うのですが筆もまた作家によって好みは違うと思います。
筆は大変高級なものからかなり安価なものまであり、高級な筆を購入するとずっと使えると言うふうに思ってしまいますが実は筆は消耗品です。どんなに高級で良い筆を買っても、必ず使いにくくなります。毛先が閉まらなかったり、バラバラになったりして描くのにとても困難になります。
画家は絵を描くのが仕事ですので、割と絵の具と同じ位筆もストックされている画家は多いと思います。私もかなり筆のストックはしています。また画材によって筆の種類も変わってきますので、なかなか自分に合う筆に出会うのが難しいところでもあります。
アクリル絵の具や油絵の具の場合は、太筆は大きな面をざっくりと塗るので、それほど買い替えたりすることもないのですが、0号や0号以下の筆は本当に唐突に変えることが多いです。すぐに毛先がバラバラになったりまとまりが悪くなり、細かい目の表現や例えば猫を描いたときの毛並みやヒゲなどを書くときに思うように描けなくなると新しい筆に変えます。細い筆のストックはかなり用意をしています。
またどんなに高価な細い筆を用意しても、やはり傷むことが早くて、私の場合は、少し安価な筆をたくさん用意して、数枚を描けば、新しい筆を用意すると言う形です。
水彩画の場合は、少し高価な筆を使います。すっとまとまって8号、10号の筆でも細かいところも描けます。ですので、あまり水彩側の場合は、細い筆で描くよりもそういう筆を2本ほど用意して描いています。
メーカーも様々ですが、画材さんによっては自分の会社で筆を作って販売している画材屋さんもあります。又、お店の中で筆をためせるように用意をしてくださっているところもあると思いますので、ぜひそういうところでいろんな筆を触っていただいて、自分に合う筆に出会っていただきたいと思います。
自分の思うように描ける筆に出会うと心の底から幸せを感じます。自分は天才ではないかと思ってしまう位です。