画用紙の特徴と使い心地 第6回(最終回):ストラスモア

2025.09.26
ストラスモア

全6回にわたって続けてきたスケッチブック(水彩紙)のレビューも、いよいよ最終回となりました。
最後に紹介するのは、アメリカ製のしっかりとした紙質が特長の「ストレスモア」です。

ストレスモア(ホルベイン取扱/アメリカ)

「しっかりと自立する紙」という印象のある、非常に安定感のある水彩紙です。

絵の具のしみ込みも丁寧にコントロールされており、色が暴れず落ち着いて定着するため、全体的にマットで穏やかな仕上がりになります。
紙に触れていても安心感があり、描いている最中も心が落ち着くような感覚があります。

リフティングや修正もとてもやりやすく、初級者から中級者まで幅広く対応できる柔軟性があります。
どんな画材でもきちんと受け止めてくれるような、包容力のある紙です。

比較的扱いやすく、丁寧に着彩すればしっかりと作品に仕上がるので、学びの過程で「一枚一枚を丁寧に描きたい」と思う人に特におすすめです。

ストラスモア 公式サイト(外部サイト)

https://holbein-shop.com/?mode=grp&gid=1798198

しめくくり:紙を選ぶ楽しさと、自分に合う一冊との出会い

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
全6回にわたって、実際に使ってみて感じた水彩紙・スケッチブックの特徴を紹介してきました。

水彩紙には、それぞれ個性があります。
発色、にじみ、修正のしやすさ、重ね塗りの表情、筆のすべり心地——どれも実際に手を動かしてみないと分からないことばかりです。

初心者の方には「まずは扱いやすい紙を1冊」。
経験を積んだ方には「制作スタイルに合った紙を何冊かローテーションで」。
そんな選び方ができたら、より制作が楽しくなるはずです。

このレビューが、誰かの「お気に入りの一冊」との出会いにつながれば嬉しいです。

画家 田嶋香里

画家 田嶋香里

現在は京都府宇治市にて制作、講師活動を行う。
京都造形芸術大学卒業、絵画造形教室講師30年以上、保母資格取得、幼児教育講師の経験後、幼少絵画教室を開室現在は幼少からお年寄り、美大受験生、障害のある子供達と幅広く指導、幼稚園講師研修会の講演
制作者としての活動は個展、グループ展多数開催

近年の活動

2018年
寺山修司画集 「時をめぐる幻想」(出版社:東京出版)「猫時計」の挿絵を行う
2019年
大丸梅田にて絵画展示販売
京阪百貨店にて展示発表
よみうりカルチャー講師
NHK文化センター講師
2020年
大丸梅田にて絵画展示販売
近鉄文化サロン講師(あべのハルカス・ならファミリー)
三越星ヶ丘店にて絵画展示販売
名古屋三越栄本店にて絵画展示販売
静岡伊勢丹にて絵画展示販売
北海道丸井今井札幌本店にて絵画展示販売
東京立川伊勢丹にて絵画展示販売
2021年
自身のアトリエ店舗をOPEN
2022年
KADOKAWA「オーバーロードⅣ」公認アーティストとしてメイキング動画、作品制作

近年の画歴

関西二紀 佳作賞,春季二紀展 新人選抜奨励賞,京展入選(3回),京都二紀 奨励賞(2回受賞),関西二紀 奨励賞(2回受賞),関西二紀 褒賞(2回受賞),関西二紀 関西二紀賞,二紀展 奨励賞,現創美術協会 奨励賞