画用紙の特徴と使い心地 第5回:ファブリアーノ & ランプライト

2025.09.19
ファブリアーノ

今回は、イタリア生まれの発色が美しい「ファブリアーノ」と、日本製で穏やかな描き心地の「ランプライト」をご紹介します。
どちらも人気の紙ですが、使ってみると印象がまったく異なります。

ファブリアーノ(ミューズ取扱/イタリア)

パレットで作った色がそのまま再現されるほど、発色がとても美しい紙です。
しみ込み具合も程よく、絵の具が紙の中に吸い込まれすぎないため、色が澄んだまま定着します。

リフティングや修正もある程度可能で、安心して手を加えられる柔軟さがあります。
ただし、下の色がやや動きやすいので、重ね塗りをする際には注意が必要です。

唯一気になるとすれば、塗り始めの段階で水彩絵の具のタッチや伸びが、やや「気持ちいい!」とまでは感じづらいところ。
この点が好みを分けるかもしれませんが、完成時の仕上がりの美しさは非常に高いレベルです。

ファブリアーノ 公式サイト(外部サイト)

http://fabrianoboutique.jp/

ランプライト(ミューズオリジナル/日本)

描き始めのにじみ具合やしみ込みの感触は比較的穏やかで、水の量が多いと絵の具が紙の上で溜まりやすく、色の調整が少し難しい印象です。

「グッとしみ込んでいく」というより、「ふんわりと軽く乗る」ような感じがあり、生徒さんの中ではとても気に入っている人もいます。
実際、筆の走り出しが軽く感じられ、特有の柔らかさがあります。

出始めの頃は筆者自身もとても気に入って使っていた紙ですが、長く付き合っていくには少し頼りなさを感じてしまうことも。
なぜか……最後には「やっぱり頼りない」と表現したくなる、そんな紙です。

ランプライト 公式サイト(外部サイト)

https://www.muse-paper-online.com/view/item/000000000311?category_page_id=ct28

次回はいよいよ最終回、「ストラスモア」をご紹介します。

画家 田嶋香里

画家 田嶋香里

現在は京都府宇治市にて制作、講師活動を行う。
京都造形芸術大学卒業、絵画造形教室講師30年以上、保母資格取得、幼児教育講師の経験後、幼少絵画教室を開室現在は幼少からお年寄り、美大受験生、障害のある子供達と幅広く指導、幼稚園講師研修会の講演
制作者としての活動は個展、グループ展多数開催

近年の活動

2018年
寺山修司画集 「時をめぐる幻想」(出版社:東京出版)「猫時計」の挿絵を行う
2019年
大丸梅田にて絵画展示販売
京阪百貨店にて展示発表
よみうりカルチャー講師
NHK文化センター講師
2020年
大丸梅田にて絵画展示販売
近鉄文化サロン講師(あべのハルカス・ならファミリー)
三越星ヶ丘店にて絵画展示販売
名古屋三越栄本店にて絵画展示販売
静岡伊勢丹にて絵画展示販売
北海道丸井今井札幌本店にて絵画展示販売
東京立川伊勢丹にて絵画展示販売
2021年
自身のアトリエ店舗をOPEN
2022年
KADOKAWA「オーバーロードⅣ」公認アーティストとしてメイキング動画、作品制作

近年の画歴

関西二紀 佳作賞,春季二紀展 新人選抜奨励賞,京展入選(3回),京都二紀 奨励賞(2回受賞),関西二紀 奨励賞(2回受賞),関西二紀 褒賞(2回受賞),関西二紀 関西二紀賞,二紀展 奨励賞,現創美術協会 奨励賞