今回ご紹介するのは、イギリス製の伝統ある紙「ウォーターフォード」と、日本製で初心者にも扱いやすい「ホワイトワトソン」。
それぞれ性格が異なり、絵の具との付き合い方も変わってきます。
人気のある水彩紙のひとつで、好みは分かれるものの、生徒さんの中でも「やっぱり分かる」と評判の紙です。
発色は非常に美しく、乾燥後もしっかりと色が残るため、にじみやぼかしといった「流動性」を抑えた表現に向いています。
一方で、乾燥が早く、色の定着が良いため、リフティング(色を拭き取る)や修正にはやや不向きです。
ただし、乾かす時間を調整したり、下の色が動かない特性を活かせば、グレージング(重ね塗り)などの技法には最適。
どうしてもリフティングが必要な場面では、ドライヤーを併用して素早く定着させるなどの工夫が求められます。
何度も重ね塗りをしても発色がにごりにくく、マットで落ち着いた質感で着彩できます。
色味に深みが出やすく、計画的に絵を仕上げていきたい人にはとても相性の良いスケッチブックです。
乾きも早いため、テンポ良く描きたいときにも適しています。
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発色が美しく、修正もしやすいため、初心者でも楽しめるスケッチブックです。
絵の具を何度か重ねていくと、発色が浅く感じられる部分もありますが、その分、紙が絵の具を受け止めきれずに滲んだりすることも少なく、落ち着いた仕上がりになります。
注意点としては、重ね塗りの際に下の色が動く傾向があるため、色を混ぜながら仕上げるよりも、パレット上でしっかり色を作ってから着彩する方が向いています。
にじみやぼかしの表現も比較的しやすく、丁寧に描いていけば美しい仕上がりに。
全体的に好き嫌いが出にくい、扱いやすいスケッチブックのひとつです。
https://www.muse-paper.co.jp/product/white_watson.php
次回は「ファブリアーノ」と「ランプライト」を紹介します。