今回はフランス製の高級紙「アルシュ」と、イギリス製のしっかりとした紙質が特長の「ラングトン」を紹介します。
どちらもプロにも愛用される紙ですが、性格はまったく異なります。
発色の美しさがまず際立ちます。にじみやグラデーションなどの技法も、気持ちよく表現できます(乾きがゆっくりな印象です)。
消しゴムで消したあとも目立った傷みがなく、きれいに着彩できるのも魅力です。
他の紙では、軽くこすれただけで絵の具の発色が悪くなり、その箇所に色が乗らなくなることがありますが、アルシュではそうした心配が少ないため、安心感があります。
一度乾くとしっかりと絵の具が紙に定着するので、リフティングなどの操作はやや難しめです。ただし、紙が強くて耐久性が高いため、ある程度までは対応可能。
その際にも「紙がダメになる」感じが少なく、描き手にとっての安心感があります。
水張りをしなくても波打ちや変形が少ないため、最後までストレスなく制作できる点も大きな利点です。
重ね塗りも美しく仕上がります。
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水彩絵の具の発色は美しいものの、紙の性質により、色が乾くとやや暗くなる印象があります。
絵具のノリがやや強く、一度乗せたら染み込みすぎずに濃く出るため、初心者には扱いにくいことも。
色や水の量によっては、紙の表面がガサガサとした印象になり、滑らかさに欠けると感じる場面もあります。
また、コントロールにはある程度の慣れが必要で、色水・重ね・乾燥時間など複数の要素を把握しながら描く必要があります。
経験者には魅力的に映る一方で、初心者にとっては「練習紙」としてはややハードルが高いかもしれません。
次回は「ウォーターフォード」と「ホワイトワトソン」を紹介します。