画用紙の特徴と使い心地 第3回:アルシュ & ラングトン

2025.08.22
ラングトン

今回はフランス製の高級紙「アルシュ」と、イギリス製のしっかりとした紙質が特長の「ラングトン」を紹介します。

どちらもプロにも愛用される紙ですが、性格はまったく異なります。

アルシュ(マルマン取扱/フランス)

発色の美しさがまず際立ちます。にじみやグラデーションなどの技法も、気持ちよく表現できます(乾きがゆっくりな印象です)。
消しゴムで消したあとも目立った傷みがなく、きれいに着彩できるのも魅力です。

他の紙では、軽くこすれただけで絵の具の発色が悪くなり、その箇所に色が乗らなくなることがありますが、アルシュではそうした心配が少ないため、安心感があります。

一度乾くとしっかりと絵の具が紙に定着するので、リフティングなどの操作はやや難しめです。ただし、紙が強くて耐久性が高いため、ある程度までは対応可能。
その際にも「紙がダメになる」感じが少なく、描き手にとっての安心感があります。

水張りをしなくても波打ちや変形が少ないため、最後までストレスなく制作できる点も大きな利点です。
重ね塗りも美しく仕上がります。

アルシュ水彩紙 公式サイト(外部サイト)

https://www.e-maruman.co.jp/lp/arches/

ラングトン(ターナー取扱/イギリス)

水彩絵の具の発色は美しいものの、紙の性質により、色が乾くとやや暗くなる印象があります。
絵具のノリがやや強く、一度乗せたら染み込みすぎずに濃く出るため、初心者には扱いにくいことも。

色や水の量によっては、紙の表面がガサガサとした印象になり、滑らかさに欠けると感じる場面もあります。
また、コントロールにはある程度の慣れが必要で、色水・重ね・乾燥時間など複数の要素を把握しながら描く必要があります。

経験者には魅力的に映る一方で、初心者にとっては「練習紙」としてはややハードルが高いかもしれません。

次回は「ウォーターフォード」と「ホワイトワトソン」を紹介します。

画家 田嶋香里

画家 田嶋香里

現在は京都府宇治市にて制作、講師活動を行う。
京都造形芸術大学卒業、絵画造形教室講師30年以上、保母資格取得、幼児教育講師の経験後、幼少絵画教室を開室現在は幼少からお年寄り、美大受験生、障害のある子供達と幅広く指導、幼稚園講師研修会の講演
制作者としての活動は個展、グループ展多数開催

近年の活動

2018年
寺山修司画集 「時をめぐる幻想」(出版社:東京出版)「猫時計」の挿絵を行う
2019年
大丸梅田にて絵画展示販売
京阪百貨店にて展示発表
よみうりカルチャー講師
NHK文化センター講師
2020年
大丸梅田にて絵画展示販売
近鉄文化サロン講師(あべのハルカス・ならファミリー)
三越星ヶ丘店にて絵画展示販売
名古屋三越栄本店にて絵画展示販売
静岡伊勢丹にて絵画展示販売
北海道丸井今井札幌本店にて絵画展示販売
東京立川伊勢丹にて絵画展示販売
2021年
自身のアトリエ店舗をOPEN
2022年
KADOKAWA「オーバーロードⅣ」公認アーティストとしてメイキング動画、作品制作

近年の画歴

関西二紀 佳作賞,春季二紀展 新人選抜奨励賞,京展入選(3回),京都二紀 奨励賞(2回受賞),関西二紀 奨励賞(2回受賞),関西二紀 褒賞(2回受賞),関西二紀 関西二紀賞,二紀展 奨励賞,現創美術協会 奨励賞