お塩がお花に? 水彩で楽しむ「ソルト・テクスチャー」技法

2025.04.11
ソルト・テクスチャー

春、満開の桜は世の中をちょっぴり明るくしてくれますね。
そんな桜風景を水彩で描いてみたいと思いませんか?
今回は、そんな季節にぴったりのちょっと楽しい水彩技法をご紹介します。

「ソルト・テクスチャー」とは?

この技法は「ソルト=塩」を使った描写方法で、「ソルト・テクスチャー」と呼ばれています。
水彩画ならではの偶然性と、塩の化学反応による美しい模様が楽しめる技法です。

描き方の手順

まずは桜の花びらなど、描きたい部分に水彩絵具を塗ります。
その絵具が「半乾き」になったタイミングで、上から塩の粒を軽く撒いていきます。
すると、塩が水分を吸収することで浸透圧の違いが生まれ、花のような、雪のような不思議な模様が浮かび上がってきます。

塩の撒く量やタイミングによって表情が変わるため、「偶然の美しさ」もこの技法の魅力のひとつです。

桜の絵

仕上げのポイント

絵具が完全に乾いて模様が定着したら、表面に残った塩をやさしく払い落とします。
その後は、通常通りの水彩描写を続けてOKです。

使用する塩について

お塩は、家庭にあるもので十分楽しめます。
ですが、粒の大きさや成分によって効果が異なるため、岩塩を削ったり、海外の珍しい塩を使って表現の幅を広げる作家さんもいます。
さまざまな種類を試してみるのも楽しいですよ。

応用いろいろ!

この技法は桜の花だけでなく、雪景色、着物の柄、抽象的な背景模様など、いろいろな場面で活用できます。
思わぬ表現が生まれるので、遊び心を持ってぜひチャレンジしてみてください。

桜の絵

青木裕幸

画家 青木裕幸

画家 青木裕幸

東京生まれ
多摩美術大学デザイン科グラフィック専攻卒
フリーランスにて映画、TV、CM、VPなど主に映像メディアに於ける企画、構成、演出、美術などを手掛ける。
2012年頃より、水彩画を中心に創作活動を始め、個展、グループ展を重ね作品を発表。2023年、第89回『東光展』三千和賞受賞。

近年の活動

映画
『鉄人28号』(2005) オープニングタイトル美術

TV
『大科学実験』(構成・演出)
『てれび絵本』(演出)
『みいつけた』(コーナー演出)
『あいのて』(構成・演出) 他

CM
『チューリッヒ自動車保険』(企画・演出)
『メグミルク』(企画・演出)
『美和ロック』(企画・演出)
他企画参加多数

VP
『ベネッセ・英語教育ビデオ』(構成・アートディレクション)
『中央美術学園』(構成・演出)
『メグミルク』(構成・演出)
『東京海上日動あんしん生命』(構成・演出・美術)
『まんがビデオ』(演出) 他

イラストレーションなど
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン『ドリーム・ファクトリー』(アートディレクション・展示イラスト)
WOWOW『エレメンタリー/ホームズ&ワトソンin NY』(コーナー演出・イラスト)
『ニュースルーム』(コーナーイラスト)
BS-TBS『にっぽん人物列伝』(イラスト)
映画『テーラー/人生の仕立て屋』(ノベルティー用原画)
大田区『勝海舟記念館』等身大パネル原画 他

近年の画歴

2023年第89回 東光展『High & Low』入賞(三千和賞)
2024年第90回 東光展『遠嶺TOONE』入選
展示室Showroom(雑司ヶ谷)にて2017年より毎年個展を開催他 ギャラリー等での個展・グループ展多数

教職歴

東京工学院専門学校 CG/Web科非常勤講師(1993〜2021)
女子美術大学 アート・デザイン表現学科非常勤講師(2010〜2018)アートセミナー『水彩画』講師(2013〜2016)
JFTD学園 日本フラワ—カレッジ『花のデッサン』講師(2015〜現在)
東京ITビジネス専門学校『デザイン造形』非常勤講師(2023〜現在)
東京カルチャーセンター葛西『水彩画』講師(2018〜現在)
展示室水彩画教室 講師(2016〜現在)