ソフトパステルについて

2025.04.05
ソフトパステル

ソフトパステルとの出会いと魅力

今回のブログでは、私がアートの世界に入るきっかけとなった「ソフトパステル」についてお話ししたいと思います。

思い返せば、今から30年ほど前。最初に出会ったソフトパステルは「ゴンドラ」のものでした。その柔らかな質感と色の美しさに惹かれ、「ソフトパステルで絵を描きたい」と思ったのが、この世界に入る始まりでした。

ルドンの花を模写して学んだこと

ソフトパステルの勉強を始めた頃、何枚も模写したのがルドンの花の作品です。

ルドンといえば、目がひとつだけ描かれた少しグロテスクな作品が印象的ですが、私はどちらかというとそういった作風は少し苦手です。
でも、ルドンの描く花はとても居心地がよく、ソフトパステルの特徴をよく活かしているなあと感じました。

特に、黄色や朱色、黒を背景にして、赤・紫・青などの花が咲いている作品を描いたときは、ワクワクしながらとても楽しく描いたのを覚えています。

ソフトパステルの「ソフトさ」とは

「ソフトパステル」という名前の通り、やはり柔らかく、やさしい雰囲気を醸し出すことが大切だと思っています。

色を重ねてしっかり塗り込んでいくのですが、見る人にふんわりとした印象を与える表現ができるところに、私はこの画材の魅力を感じています。

メーカーごとの使い心地

ソフトパステルはさまざまなメーカーから出ています。

私が初めて使ったのは「ゴンドラ」でしたが、その後「レンブラント」に出会ってからは、主にそちらを使っています。レンブラントは持ちやすく、発色も鮮やかで、水彩の上に重ねるときにもとても使いやすいです。

最近は、絵を体験しに来られる方には「ホルベイン」のソフトパステルを使ってもらうことが多いです。ホルベインは特に柔らかく感じられるので、初めての方にも好評で、「癒される」という声もよく聞きます。

ペンシルタイプとパンパステル

細かい部分を描くときには、ペンシルタイプのソフトパステルも使います。私は「ダーウェント」や「スタピイロ」を使うことが多いです。ソフトパステルよりも少し硬めな印象がありますが、目などの繊細な部分を描くのに向いています。

また、「パンパステル」という画材も使っています。これはスポンジを使って色をのせていくタイプで、メイクのアイシャドウやファンデーションを塗るような感覚です。私は背景を均一に塗りたいときによく使っています。

ソフトパステルのひと手間も、楽しさの一部

ソフトパステルは粉状の顔料を少しだけ固めた画材なので、仕上げには「フィキサチフ」という定着スプレーが必要です。少し手間ではありますが、この「粉を画面上で遊ばせる」楽しさは、他の画材にはない魅力です。

ソフトパステル、まだ触れたことがない方も、ぜひ一度試してみてくださいね。

田嶋香里

画家 田嶋香里

画家 田嶋香里

現在は京都府宇治市にて制作、講師活動を行う。
京都造形芸術大学卒業、絵画造形教室講師30年以上、保母資格取得、幼児教育講師の経験後、幼少絵画教室を開室現在は幼少からお年寄り、美大受験生、障害のある子供達と幅広く指導、幼稚園講師研修会の講演
制作者としての活動は個展、グループ展多数開催

近年の活動

2018年
寺山修司画集 「時をめぐる幻想」(出版社:東京出版)「猫時計」の挿絵を行う
2019年
大丸梅田にて絵画展示販売
京阪百貨店にて展示発表
よみうりカルチャー講師
NHK文化センター講師
2020年
大丸梅田にて絵画展示販売
近鉄文化サロン講師(あべのハルカス・ならファミリー)
三越星ヶ丘店にて絵画展示販売
名古屋三越栄本店にて絵画展示販売
静岡伊勢丹にて絵画展示販売
北海道丸井今井札幌本店にて絵画展示販売
東京立川伊勢丹にて絵画展示販売
2021年
自身のアトリエ店舗をOPEN
2022年
KADOKAWA「オーバーロードⅣ」公認アーティストとしてメイキング動画、作品制作

近年の画歴

関西二紀 佳作賞,春季二紀展 新人選抜奨励賞,京展入選(3回),京都二紀 奨励賞(2回受賞),関西二紀 奨励賞(2回受賞),関西二紀 褒賞(2回受賞),関西二紀 関西二紀賞,二紀展 奨励賞,現創美術協会 奨励賞