今回は、イタリア生まれの発色が美しい「ファブリアーノ」と、日本製で穏やかな描き心地の「ランプライト」をご紹介します。
どちらも人気の紙ですが、使ってみると印象がまったく異なります。
パレットで作った色がそのまま再現されるほど、発色がとても美しい紙です。
しみ込み具合も程よく、絵の具が紙の中に吸い込まれすぎないため、色が澄んだまま定着します。
リフティングや修正もある程度可能で、安心して手を加えられる柔軟さがあります。
ただし、下の色がやや動きやすいので、重ね塗りをする際には注意が必要です。
唯一気になるとすれば、塗り始めの段階で水彩絵の具のタッチや伸びが、やや「気持ちいい!」とまでは感じづらいところ。
この点が好みを分けるかもしれませんが、完成時の仕上がりの美しさは非常に高いレベルです。
描き始めのにじみ具合やしみ込みの感触は比較的穏やかで、水の量が多いと絵の具が紙の上で溜まりやすく、色の調整が少し難しい印象です。
「グッとしみ込んでいく」というより、「ふんわりと軽く乗る」ような感じがあり、生徒さんの中ではとても気に入っている人もいます。
実際、筆の走り出しが軽く感じられ、特有の柔らかさがあります。
出始めの頃は筆者自身もとても気に入って使っていた紙ですが、長く付き合っていくには少し頼りなさを感じてしまうことも。
なぜか……最後には「やっぱり頼りない」と表現したくなる、そんな紙です。
https://www.muse-paper-online.com/view/item/000000000311?category_page_id=ct28
次回はいよいよ最終回、「ストラスモア」をご紹介します。